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イベント情報
   
天台寺に続く道 御山道を行く
800年続く巨木の里・足沢で薬膳雑穀料理を食す
 巨木や雑穀を地域資源の宝と位置づけ、都市住民との体験交流を実践する二戸市足沢地区は820年の歴史を刻んでいます。
10月21日(土)〜10月23(日)の3日間開かれた「全国エコツーリズム大会inにのへ」で、自然や歴史文化を体験する足沢地区のエコツアーに県内外から54人が参加。名刹天台寺へ向かう旧道・御山街道(御山道)を散策し、地元の食材をふんだんに使った雑穀料理を味わい、カタキビの脱穀など山里の暮らしを体験しました。
歩く距離と難易度 ガイド
4Kmで、ややきつい ぎばって足沢70の会・天台寺ボランティアガイドの会
概   要 見どころとねらい
 東北仏教文化の中心地として歴史を刻む天台寺を訪ねます。
 足沢地区では日本でも珍しいもちひえを使った雑穀料理を味わうことが出来ます。
 瀬戸内寂聴師が名誉住職を勤める天台寺は728年の開山と伝えられ、近隣の人々の信仰を集めていて、寺の例大祭には御山街道を雑穀の握り飯を腰に付け、夜を徹して天台寺にお詣りしたという。
 人々の信仰に支えられた道を歩き、800年続く山里で、雑穀王国二戸の一角を担うこの地の雑穀料理を食し、長きにわたり人々の命をつないできたもの(信仰と雑穀)に触れる。
場   所 時 刻 工    程
 二戸パークホテル 8:10  宿泊施設を出発
 二戸駅 8:30  日帰り参加者を受付
 足沢生活改善センター 9:00  「ぎばって足沢70の会」
 御山街道入口 9:15  茶屋場に向けトレッキング開始
 茶屋場 10:30  小休止
 大平集落 10:45  大平集落を通過
 山の水 11:10  水飲み場・山の水を通過
 途中、栗やアケビ、キノコなどを収穫
 足沢生活改善センター 12:00  昼食(薬膳雑穀料理を浄法寺塗のお膳で味わう)
 地域紹介映像
 足沢部落内 13:00  部落内の巨木めぐり(清水寺のイチョウ、
 槇木平のカツラ、御不動のコナラ・ミズナラ)
 足沢生活改善センター 14:00  雑穀体験
 (もちヒエの餅つき、タカキビの収穫、脱穀等体験)
 天台寺 15:45  桂清水から参道を歩き本堂を目指す
 滴生舎 16:45  浄法寺塗の鑑賞及び購入
 足沢生活改善センター 18:00  夜なべ談義開始
  20:00  夜なべ談義終了、バスで移動
 二戸駅 20:30  日帰り参加者を降車
 二戸パークホテル 21:00  宿泊施設到着、終了
 御山街道散策のツアーコースは足沢生活改善センターから茶屋場まで約4キロ、片道1時間40分、山の水―茶屋場間は約1.5キロ、片道60分と設定しています。当日は、御山街道入□から茶屋場、山の水を回り、雨の中約6キロを2時間で歩いて生活改善センターまで戻りました。
 足沢地区は、二戸駅から西へ約12キロ、車で焼く30分。山に囲まれた約70戸の集落。ヒエ、アワ、アマランサスなど雑穀の県内有数の産地で、二戸市内の約半分の生産量を占めています。
 巨木の象徴は、清水寺のイチョウで樹高27メートル、樹齢400年以上で、エコツアーの主会場なった足沢生活改善センターから歩いて10分ほど。途中の道端に立つ槇木平のカツラは樹齢300年、幹回りは7メートル。ほかに御不動のコナラ・ミズナラ、中渡のヤマモミジなどともに巨木巡りのコースになっています。
森に響く民謡
落ち葉の旧道
 エコツアー「天台寺に続く 御山道を歩く」は、地域おこし団体「ぎばって足沢・70の会」(上野司会長)が案内しました。
旧道2300メートルを司会が復元。最初は急な坂道でしたが、色づいたコナラなど落葉樹を眺めながら、落ち葉を踏みしめ、ゆっくりと進みました。あいにくの雨でしたが、幅員3メートルと広く平坦で歩きやすい。ガイドの南部木挽き唄の美声が森に響きました。
 旧道の終わりは、整備した鳥居をくぐって茶屋場。柱に地元のクリの木を使い、かやぶき屋根で100年前の建物を復元し休憩所に。青森県八戸・田子、秋田県鹿角、それに福岡(現二戸市)方面からの合流地点で、かつては茶屋場で休憩して約10キロ先の天台寺を目指しました。山間交通の要衝だったわけです。自ら説明のマイクを握る上野会長は「江戸時代は参拝者でにぎやかな街道だった。かやぶきの復元は、知っている人がいないので苦労した」と振りかえりました。
 一般道を進み、大平神社を通り、オオイヌ岩へ。昔、ニホンオオカミがすんだ穴があるとされ、地元ではオオカミをオオイヌと呼んだそうです。
 一般道が台風15号の被害で崩落したため、山間の細道を回り水場「山の水」へ到着。豊富な湧き水は炊事、飲料水に人気で遠方からも車で多くの人が水くみに訪れるという。水温は年間通じて13度を保っています。
 道端にひっそり紫色のミヤマリンドウが咲き、漆の林には漆をかいた跡がくっきり。浄法寺塗を支えてきた漆は、ひと昔前なら2年間漆かきの仕事に携わると家が建つほどの超高級品。役目を終えるとまきとして再利用します。
自慢料理9品
ヒエ餅もつく
 雨は上がり、生活改善センターに戻って昼食。浄法寺塗の膳に載った料理は「古代米ご飯」「ヒエのカツ揚げ風」「実そばとヤーコンの酢の物」など足沢自慢の雑穀と山菜を使った9品。参加者は、お母さんたちが心を込めて調理した料理を一品ずつ、味と食材を確かめながら、うれしそうにほおばっていました。
 食事の後はモチヒエの餅つき。ヒエは粘り気がなく、ぼろぼろして餅にならないが、モチヒエは貴重で特別な品種で、2005年に岩手大農学部の星野次汪教授(当時)が数あるヒエの実から見つけた実を増やして栽培、初の餅つきにこぎつけました。
上野会長は「世界初のヒエ100%の餅」を盛んにPRし、軟らかなつきたてを振る舞いました。確かに餅の味でした。
 雨模様で巨木巡りは中止。せんべい焼き器を使って、おやつ「てんぽ焼き」を代わる代わる体験。小麦粉と塩、水だけを練って焼く素朴な味が受けていました。塩加減が難しいそうです。
 萩の木を削って作る著、日本古来の脱穀用農具せんばこきでタカキビの脱穀にも参加者の輪ができました。里山の秋を堪能。最後はバスで移動し、天台寺に参拝しました。
若い人も参加
年配者と交流
 東京農大国際食料情報学部国際バイオビジネス学科4年の藤川遼介さん(23)=横浜市出身=は、大学の先輩である二戸市の酒造会社南部美人の久慈浩介専務から紹介されて、仲間や友人8人と一緒に全国大会に参加しました。「自然の中を仲間と会話しながら歩き、年配者とも交流できて楽しかった。郷土料理はそのままエコ、地産地消につながる。料理はお母さんたちの愛情が感じられた。
料理は笑顔をつくる。これからの平和を支えるのは農業であり、食ではないか」と、催しを通じて学んだことを将来の職業選択に生かす考えを熱っぽく話しました。
 奥州市水沢区の会社員峠みどりさんは、短大時代に雑穀関係の卒業研究を選んだことで、二戸市の知人から勧められ母親と一緒に参加。「御山道を歩いて、ふだん見ない植物にも出合い、新鮮に感じた。雑穀料理は手が込んで、おいしかった。
 中でも大根を干して焼いた料理(干し大根のピーマンみそ添え)は、大根を干すだけでできるので、自分でも挑戦したい」と、目を輝かせていました。
 参加者の中には東京農大生や若い女性も多く、田舎暮らし体験を通じて年配者と会話し、世代間交流、笑顔が広がったことが印象的なイベントでした。



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