●  高松の池  ●

高松公園の再生のために
  [高松公園と親しむ会]発足 高松池周辺は、明治時代から盛岡市民のオアシスとして、春は桜、夏は水泳、秋は茸刈り、 冬はスケート等々四季折々に親しまれてきました。天然のリンクで二度にわたり国体も開催されています。昭和32年には、 都市計画法により

面積44.3ヘクタールの公園として指定されました。近年は、生活汚水等の混入により、ヘドロの沈積と池の汚濁が進み、 生息する魚類や野鳥、水性昆虫等に微妙な影響を与えています。タナゴやメダカが繁殖し、蛍の飛び交う清浄な高松の池を 再生させたい。森は、ニセアカシヤの異常な繁茂により、従来の雑木林の植生が脅かされ危機に瀕している。地域の先人達が 英知を結集して守り、継承してきた盛岡市中心部の公園を市民の貴重な財産として大切に育んでいかなければなりません。
  次代に豊かな環境を継承していくことを目的に、地域住民を中心に「高松公園と親しむ会」が発足しました。子ども達や地域 住民と一体化し、官民が力を寄せ合って、漸次改善していくことを切望しつつ、以下の基本的なビジョンを確認しています。


1,はじめに
高松公園整備の基本的なビジョン

(1) 水質の清浄化に努めると共に、野鳥の楽園、蛍やトンボ、水カマキリ、メダカ、タナゴ(沼貝)などが生息できる 池の配置造成をめざす。
(2) 水性植物や草花が繁茂する環境の育成をはかる。
(3) 森林の荒廃をくい止め、雑木林としての再生を期す。
(4) 散策路の整備をすすめ、森林浴や自然観察ができる「憩いの場」を提供する。
(5) 将来的に自然環境を学習・研究する場として「ネイチャーリサーチハウス」(仮称)の建設を指向する。

2,具体的な提言
その1 高松の池の浄化対策について
(1)本池の浄化の基本として、先ず芝水園(上堤)の浄化に全力をあげる。

ア、 3カ所から流入する水源の浄化のため、生活排水が混入していると想定される2カ所について下水道処理及び集中浄化処理施設を要請する。
イ、 流入する水質の効率的活用策として、注入する水路の流れを現在のヨシ原を平坦化して流し、清浄化した水源を芝水園(釣り堀)に注入させる。
ウ、 公園化を予定している旧競馬場の跡地のうち、ヨシ原に隣接している部分、及び現在のヨシ原一体の湿原化をはかり、最も浄化力があると想定されるマコモを増やしていく。
エ、 その際、豊富な地下水源を掘削し、水量を豊かに保つようにする。
(2)芝水園のヘドロをポンプで吸引し、マコモ、ヨシ原に環流して、濾過された
   清浄水を芝水園に流す。
(3)岩手大学及び近接の私立高校との連携を強化し、絶えず水質の管理・検
   査を継続し浄化に努める。

その2 ニセアカシアによる森林の荒廃対策について
(1) ニセアカシアが異常に繁茂し、従来の雑木林を駆逐している。これ以上増やさないためにニセアカシアの幼木を 駆逐していく。
(2) 当面、力を寄せ合って、笹の下刈りとニセアカシアの倒木を処理していく。
(3) 倒木の前にニセアカシアを計画的に間伐し、資源の再生に転用する。活用策として、ニセアカシアの倒木を燃やし、木炭の生産を行う。炭は高松池流入口(生活廃水)を中心に敷設して湖水の浄化に役立てる。
(4) 遊歩道を整備して、市民の憩いの場として拡大する。

その3 高松公園の総合的な整備について
(1) 公園指定地のうち、民間所有地の計画的な取得をすすめる。
(2) 標語など立て札の効果的な配置により、不法ごみの投棄やモラルの高揚を呼びかける。
(3) 美観を損ねる公園内の廃屋の撤去を早急に行う。
(4) 人と犬が楽しく散策できるよう糞の回収用具の携帯を指導強化する。 

●伊豆沼(宮城)からマコモをわけてもらったよ

  北海道庁から伊豆沼を紹介され、さっそく同地を訪ねる。1回目は、伊豆沼見学。日本一の白鳥飛来地だけあってその壮大な とりくみに感動した。6月6日に2度目の訪問、おりしも伊豆沼では、小学生を始め、老若男女が一同に会してのマコモの植え つけ風景に遭遇した。昔日の総出の田植え風景を思い起こし深い郷愁に刈られた。

  芝崎室長さんより、マコモをどっさり分けていただく。 6月11日、有志でたかまつの池にマコモを植える。その後、盛岡に 隣接している滝沢村の水田地帯ににマコモがあることを知り、みんなでいただきにいき、池に移植する。 盛岡市議会で高松の池 問題提起。盛岡市は、池の流入口の延長線上にある市街化調整区域の住宅地に下水道を敷設していくことを表明した。


●地域のみんなが汗を流して間伐作業

  ホタル飛び交う高松の池、雑木林の中から初茸やしめじボリが収穫できたあの昭和40年初頭までの高松公園は、どこに行った のだろうか。「みんなで力を合わせて清浄な森と水を作ろう」と高松公園に親しむ会のメンバーは、真剣に立ち向かっている。 8月から9月にかけては、ニセアカシアが呼び込んだ笹の刈り払いを連日行い、すっかりきれいになった。この後にはこの地の 生態系に合ったミズナラ、カエデ、マツなどを植樹していきたい。このささやかな地域住民の働きが呼び水となって行政が自然 保護に本腰を入れてとりくむことを期待していきたい。
  12月の盛岡市議会において、盛岡市長は「高松公園と親しむ会の皆様のご尽力に感謝する」と表明されました。この市長の 言葉を励みに、私たちも命ある限り、愛する高松公園に執着していきたいと思う。


●電気温隙水機の廃物加工で炭焼き窯製作

  当初は、ドラム缶で作成の予定であったが、錆びにくい、軽い、熱の伝導が良いなどの利点を生かし、電気温水機を活用して 製作開始した。製作者は、私の友人の吉田節男さん。ウンウン唸りながら得意の技術を駆使しながら見事な窯を製作した。 かなり、炭材も入れられるスペースが確保できた。


●いよいよ炭焼き開始 

  いよいよ炭焼き開始。炭焼きのノウハウを十分に会得しないままのスタート。しかも、みんな時間に追われる人たちの 集団だから、せっかちな状態で焼いてみることとした。11月5日、第1回目の炭焼き、10時 火入れ、15時 口焚き 燃焼終了、窯に蓋、18時 ねらし開始、18時半 白煙のまま煙道閉じる。
  11月6日に窯の蓋を開ける。期待と不安の中

で蓋を開ける。結果は、炭7割、半焼き3割であった。十分な時間をかけていないのでまずまずの出来といえる。
  続いて、11月12日に2回目、11月25日に3回目、12月10日に4回目を実施し、回を重ねるごとに炭の質も徐々に 良くなってきた。ニセアカシアの炭だから、こんなものかとあきらめたり、いや、もっとよく焼けるはずだと言い聞かせたり、 試行錯誤の炭焼きが続いている。暖かくなったら生活廃水の流入口に敷設し、更にマコモの間を通過させてきれいな水を 高松の池に送ろう。会員たちの夢は、限りなく広がっている。


    〜炭焼き歌4首〜

           薪負いし遥かなる日を偲びつつ
                 炭焼き窯に火入れ寿ぐ

          愛しきを思うが如く心地して
                 紫煙待ちたり雪降る湖畔で

          白鳥の声まばらなり小夜更けて
                 足踏みしつつ寒気を癒す

          炭焼きの達人たりし夢を見つ
                  炭焼き人ぞ雲居に隠る

 

アメリカシロヒトリ トップ項目 アメリカシロヒトリ